激しいクラシック音楽11選【オーケストラ曲】

激しいクラシック音楽11選-オーケストラ曲

クラシック音楽は「穏やかで癒しの音楽だ」というイメージがある人も多いのではないかと思います。

しかし、実際には、ハマると聴いているうちに思わずヘッドバンキングをしたくなるような激しいクラシック音楽も多いです。

クラシック音楽の作曲家は今や歴史上の人物ですが、実際は人間味にあふれる人生を経て、ドラマティックな曲をたくさん残しています。

具体的にどんな曲があるのかご紹介していきます。

試聴できる音源も貼っていますので、是非聴いてみてください。

激しいクラシック音楽11選

激しいクラシック音楽1.

ショスタコーヴィチ/交響曲第5番第4楽章

一言でいうと、作曲者ショスタコーヴィチの心の叫びを表現したかのような曲です。

1930年代当時、ソ連ではスターリンによる「大粛清」が行われていました。

作曲者の友人・知人たちも次々に逮捕・処刑されており、いつ自分にも火の粉が降りかかるのかという極限状態のなかで、心の叫びを曲に表したのではないかと筆者個人としては想像しています。

激しいクラシック音楽2.

マーラー/交響曲第1番第4楽章

この交響曲第1番は作曲者自身によって、「巨人」という副タイトルがかつて付けられていました。現代でも「巨人」交響曲として紹介される機会が多い曲です。

第4楽章には「嵐のように運動して」という副題がついていて、超強烈なシンバルの音で始まる曲になっています。

まさに嵐のような激しさをもったドラマティックな展開を経て、ボルテージMAXで締めくくられる曲です。

激しいクラシック音楽3.

ベルリオーズ/幻想交響曲第5楽章「ワルプルギスの夜の夢」

簡潔に説明すると、「音楽家が恋の悩みによってアヘンで服毒自殺をしようとするが、死には至らずに重苦しく奇怪で幻想的な夢を見る」という設定の交響曲です。

なかでもこの第5楽章は副題にもある通り、ワルプルギスの夜(魔女の夜宴)がテーマで、魔女・魔物の騒ぎを表現したような箇所もある曲で、不気味に始まったあと、盛り上がったり狂い舞ったりしたのちに、激しく終わります。

激しいクラシック音楽4.

グノー/バレエ組曲「ファウスト」より第7曲「フリネの踊り」

ドイツの文豪ゲーテの名作「ファウスト」を題材にした、グノーが作曲したオペラに付随するバレエ曲です。

組曲の前半の曲などでは甘美なメロディーが流れますが、最終曲である第7曲では、これもまた「ワルプルギスの夜(魔女の夜宴)」を思わせるような激しさをもった曲です。

激しいクラシック音楽5.

ムソルグスキー(ラヴェル編曲)/組曲「展覧会の絵」より「バーバ・ヤーガの小屋」

ムソルグスキーが作曲したピアノ組曲「展覧会の絵」を、ラヴェルがオーケストラ用に編曲したものが有名です。(ピアノ版も、とてもおすすめです。)

「バーバ・ヤーガ」とはスラヴ民話に登場する森の魔女のことで、おどろおどろしく激しい曲に仕上がっています。

ピアノ版

激しいクラシック音楽6.

ムソルグスキー(ラヴェル編曲)/はげ山の一夜

これもまた、死神や魔物、幽霊、精霊らが夜のはげ山で大騒ぎをするということがモチーフになっている曲です。

ムソルグスキーが作ったままのいわゆる原典版と、没後にリムスキーコルサコフが編曲したバージョンがあります。

現代でよく演奏される機会が多いのは後者の編曲版ですが、原典版の方が激しめです。

激しいクラシック音楽7.

ドヴォルザーク/交響曲第9番第4楽章

有名な曲で、聴いたことがあるという方も多いと思います。 この4楽章には音楽用語で「Allegro con fuoco(アレグロ・コン・フオーコ)」と指示が書いてあります。

この「con fuoco」とは「火のように激しく」という意味合いがあり、まさに熱烈な曲となっています。

激しいクラシック音楽8.

チャイコフスキー/交響曲第4番第4楽章

この曲の第1楽章はとても緊張感のある曲ですが、そういった緊張感も経て迎える最終楽章であるこの4楽章でも、先ほどのドヴォルザーク9番4楽章と同様に、「Allegro con fuoco(火のように激しく)」の指示があり、とても情熱的な曲です。

激しいクラシック音楽9.

ショスタコーヴィチ/交響曲第10番第2楽章

冒頭からとてつもない疾走感と激しさが目まぐるしく展開していく曲です。

自分を追い込んで奮闘したいときに、目覚ましアラームとしてセットすると必ず起きられる曲です。

激しいクラシック音楽10.

ストラヴィンスキー/春の祭典

題名だけ見ると華々しいイメージを想像しますが、実際は一言でいうとカオスに満ちた激しいバレエ曲です。

今聴いても前衛的な印象をもつような曲ですが、初演当時(1913年初演)はバレエの振り付けや曲の複雑さもあり、コンサート会場に客の怒号が飛び交っていたというエピソードが有名です。

この初演の様子は映画「シャネル&ストラヴィンスキー」で再現されており、そのカオスさが楽しめます。※大人な描写も多いのでこの映画を見るときは気をつけてください。

激しいクラシック音楽11.

ニールセン/交響曲第4番「不滅」より第4部

作曲者ニールセンによって「不滅」という副題が与えられた交響曲で、ドラマティックなメロディー展開と激しさがある曲です。

オーケストラの雄大かつ壮大な盛り上がりと、ティンパニの響きが本当にカッコいいです。

最後に

いかがでしたでしょうか。

クラシック音楽の激しい曲は、激しい部分も非常に盛り上がって最高ですが、そこに至るまでのドラマも魅力的ですので、気になった曲があればその前後の曲(例えば交響曲であればそのほかの楽章)も聴いてみてください。